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2006.09.16

■灯台のある風景② 大久野島 竹原市 

戦中、地図から消される
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 竹原市沖の大久野島灯台は戦時中、島ごと地図から消えていた。
 国土地理院の前身でもある大日本帝国陸地測量部が1938(昭和13)年に発行した5万分の1の市販の地図は大久野島周辺が白く消されている。市立書院図書館が保存するこの地図は、旧陸軍の毒ガス製造拠点で軍機保護法が適用された島の歴史を伝えている。
 国民休暇村を中心に島全体がリゾート地になったものの、製造工場で働いた人々は後遺症に悩み、土中の残留物はいまなお戦争を引きずっている。
 1894(明治27)年に完成した灯台は、島の南端に位置する。
 1962年までは灯台のある岬の付け根に官舎があった。東京近郊に在住の中山加代子さん(82)は昭和の初め、灯台長だった父の転勤で沖縄の伊江島灯台から来た。
 女学校に通うのに不便なため母親と本土側の忠海に家を借りていた。父の働く灯台に行く時は、兵器製造所に通う工員の船に便乗させてもらった。
 「桟橋は一緒でしたが、灯台の敷地との境には鉄条網が張られました。工場では戦争に使う日本初の秘密の兵器を製造中と聞かされました」と回想する。
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 明治の灯台は92年に大改修された。灯台に上がる小道の草むらに立つ「大久野島燈台用地」「陸軍省所轄地」の石標が当時の境界をいまも教えている。
【写真】明治の石造りの灯台。手前に木造の官舎があった(1947年ごろ)=伊藤武夫資料
【写真】休暇村広場から散策路を登ると灯台が見える。向こうは大三島

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